テレビを絵本に代えて  

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中井孝章著

テレビを絵本に代えて
―親子のシンクロニー―

(四六判99頁/本体価格1000円)

テレビの長時間視聴と子どもの発達問題
乳幼児を中心に据えながら、テレビの長時間視聴にともなう子どもの発達問題を考え、改善策の一つとして、絵本の良さを見直すとともに、絵本を媒介とする親子関係の構築の必要性について提言していく。

<内容目次> 

第1部 テレビの長時間視聴と子どもの発達問題

T.テレビ視聴の現在 U.テレビの普及と「新しいタイプの言葉の遅れた子ども」の登場――乳幼児を中心に V.テレビが子どもに与える深刻な影響 1.テレビという「メディア=形式」の批判的検討 2.テレビ視聴の時間と時刻がもたらす問題 3. テレビの効用とその落とし穴―テレビに対する誤った認識と錯覚 4.テレビの過剰刺激(映像と音)がもたらす身体的影響 5.生活経験のシミュレーション化または擬似体験の影響 6.テレビ視聴の有無と母子間の会話 7.テレビによる表情読解力の欠如―アニメ的人間理解 8.「感情教育」としてのテレビ 9.テレビによる言葉の発達遅滞 10.テレビによる諸能力の発達不全 11.テレビによる学校での私語の増加現象 12.マルチメディアとしてのテレビと感情発達の困難性 13.テレビがもたらす「大人/子ども」関係の枠組みの変容 14.二分法的思考法の陥穽

第2部 テレビから絵本へ

W.対人関係の基礎としての母子関係と共同注視――二者間「内」交流・二者間「外」交流 1.浮世絵の母子像にみる共同注視と伝統的育児法 2.母子間の相互シンクロニー X.子どもと絵本の詩学 1.子どものイメージと遊びの発達プロセス 2.反復のリズムと子どもの身体的共鳴―絵本に仕組まれた子どもの身体 3.移行対象の象徴的次元 4.空想世界の創造と冒険―日常と非日常の往還 5.絵本のなかの神話的時間と子どもの異界体験 6.子どもに絵本を語り聞かせることの意義―他者の欲望の模倣としての学び

《著者紹介》大阪市立大学大学院生活科学研究科教授。学術博士。