実践記録論への展開

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大泉溥著

『実践記録論への展開―障害者福祉実践論の立場から―』

(A5判216頁/税込価格2100円)

『生活支援のレポートづくり』続編 障害者の生活と心理を問題にして45年の総括―実践科学としての原点と課題を示す― 本書はいわば生活支援実践の理論篇である。すなわち、本書では実践概念の歴史的な成立事情をふまえて実践論の立場を示し、実践主体形成の理論的な価値や位置づけを問い、実践研究の現場的方法としての実践記録の意義と課題、その方法論の特徴や今後の展開方向について論じた。(「まえがき」より)


<内容目次> 

第1章 社会福祉における実践主体の形成と実践記録の役割・福祉と臨床という二つのブームの狭間で・社会福祉における実践研究のあり方・実践記録づくりとその活用・21世紀の社会福祉実践をどうとらえるのか 

第2章 日本の教育科学と教育実践記録の形成と展開・近代日本における“教育実践”概念の成立事情・戦後日本における教育科学と実践記録の軌跡 

第3章 障害児学校寄宿舎における生活実践と実践記録の展開・「世話と賄い」から「教育」へ・生活指導の“実際”から“実践”へ・実践の理念的発展:生活指導から生活教育へ・指導目標・方法を支える“自立”観の展開・“もう一つの実践記録”から見えてくる生活世界 

第4章 障害者福祉実践論への道程・若き日の私の歩みと実践的志向の芽ばえ・実践研究の方法論的模索・障害児保育の方法論的批判 ―山下俊郎「基本的習慣の研究」をめぐって ―・障害児福祉施設における実践認識と家族観の問題・生活教育の原点としての家庭学校 

第5章 障害者福祉実践論の地平・社会福祉における「実践主体」概念の成立事情・障害者福祉実践論の立場と視点・障害者福祉実践論の今日的課題・高齢障害者の問題と福祉の仕事 

第6章 障害学生の人間的自立・実際的問題の所在と研究方法の提起・障害学生の問題、生活実感の特徴・障害学生の生活困難と主体の危機・試練・「障害者としての自分」を存立させていく際の主体的な危機と試練・障害の受容、自己認識にかかわる危機と試練 

結び 実践事例の研究とは何か


【著者紹介】

    日本福祉大学杜会福祉学部教授。【主な著書】監修『文献選集教育と保護の心理学 明治大正期〜昭和戦後初期』(復刻版全48巻・別冊解題全5冊)クレス出版(1996〜2001)、共著『日本心理学史の研究』法政出版(1998)、『日本心理学者事典』クレス出版(2003)『生活支援のレポートづくり』三学出版(2004)