癌を抱えてガンガーへ

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高垣忠一郎・著 
『癌を抱えてガンガーへ』
―性と死の不安と向き合う―

(四六判222頁/税込価格1575円) 「がん医療最前線」紹介

不登校カウンセラーの癌旅日記
 僕が癌と向き合い、体験したことや考えたことを書いてきた。それは「インドの旅」と同様、僕の「異界」への旅。そして、これはそのささやかな「旅日記」のようなものだと思う。それを公刊する気になったのは、それを通じて自分を表現し、自分の経験を知ってもらい、人々と深く対話したかったからである。……僕にとって「性」はそのような「異界」と交わる通路なのである。それを意識化することができたのは、癌を患い、またその癌が男の性を直撃する「前立腺癌」であったからにちがいない。(あとがきより)


【内容もくじ】

  1. 癌との出会い・人間ドック入り。要精密検査の結果がでる・「前立腺」の診察・マーカーの数値の推移はやはり怪しい・検査入院・やはり癌だった ・骨シンチ検査・「前立腺癌」とその診断、治療について勉強する・〈癌とはどういう病気か〉〈どんな症状があるか〉〈診断をつけるには〉・ホルモン療法・治療法への迷い・MRI体験
  2. 癌と向き合い、性と死の不安と向き合う・「性」と向き合う・ホルモン療法がセックスに及ぼす影響・精神が勃起した.癌と付き合う技芸(アート)の必要性・僕の「閉塞感」
  3. 「内地留学」――癌を抱えてガンガーへ・インドの旅は「死」と出会う旅・「祈り」の心は身を委ねる心・僕の「ニライ・カナイ」安満地・死と再生の物語
  4. 入院記・現代の生物学が人間の「個体性」とケアーについて教えてくれること・尿意が津波のように襲ってくる苦痛・前立腺の喪失を悼む・尿意のなさ、尿失禁に戸惑う日々・同室の仲間との触れあいも入院生活の醍醐味

【著者紹介】

    京都大学教育学部卒業。専攻、臨床心理学。大阪電気通信大学教授を経て、現在、立命館大学大学院応用人間科学研究科教授。主な著書に、『揺れつ戻りつ思春期の峠』(新日本出版社)、『登校拒否・不登校をめぐって』(青木書店)『共に待つ心たち―登校拒否・ひきこもりを語る』(かもがわ出版)など。