非行と社会病理学理論

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高原正興・著
『新版 非行と社会病理学理論』

(A5判201頁/本体価格2300円)

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少年非行の「語られ方」が多少変わってきた。その契機になったのは1997 年 6 月に起こった神戸小学生連続殺傷事件であり、その直後から「いきなり型」 の重大非行と「戦後第四のピーク」の形成が指摘されはじめた。2001 年4 月 から施行された新少年法の改定論議も、非行の「凶悪化」という「語られ方」 の一つの現れであったといえる。2部「少年非行問題の考察」をこの9年間の 非行の動向をふまえ書き直している。 【内容もくじ】

     序 章 社会病理の捉え方とコンフリクト理論の視角

    第1部 社会病理学理論の展開
     第1章 社会病理学の成立とデュルケームの理論
     第2章 社会解体論から緊張理論へ
     第3章 逸脱の文化論からコンフリクト理論へ
     第4章 ラベリング論の功罪

    第2部 少年非行問題の考察
     第5章 非行統計の特徴と解釈
      第1節 少年非行の定義と統計上の動向
      第2節 「一般家庭化」の解釈
      第3節 「遊び型化」の解釈
      第4節 第三・第四のピークの解釈
      第5節 非行の漸減傾向と四層構造
     第6章 社会病理学理論の現実適合性
      第1節 「非行の偏在」説の限界
      第2節 「非行の遍在」説と潜在価値の浮上
      第3節 相互作用論の有効性―同一化と自己観念
      第4節 規範意識論
      第5節 まとめ―少年非行の社会病理学理論
     第7章 「古典型」非行と社会的排除の構造
      第1節 「古典型」の重大非行事件をめぐって
      第2節 「古典型」の典型事例―「連続射殺魔」事件の検証
      第3節 「古典型」の比較研究
      第4節 永山事件と少年法
      第5節 無職少年と少年院入院少年
      第6節 社会的排除の構造―学歴社会と管理社会
     第8章 非行統計の社会的構成と社会的反作用

    資料 新聞報道に見る少年非行

(著者紹介)京都府立大学公共政策学部福祉社会学科教授

(著書)『社会病理のリアリティ』(学文社)ほか