田中耕治・著
『指導要録の改訂と学力問題』 ―学力評価論の直面する課題―
(四六判181頁/税込価格1890円)
「目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)」と「個人内評価」を二本柱とする教育評価観の意味とその方法論を深く理解し、それを教育実践の改善と結合すること。それなくしては「相対評価」を真に克服することはできない。……そして、この課題を探究することは、今日の「学力低下」問題に対する回答を準備することでもある。(「はじめに」より)
【内容もくじ】
第1部 指導要録改訂期における学力評価の問題 1 戦後初期「教育評価」論の特徴 2 教育評価観の二重構造と「相対評価」への批判 3 「到達度評価」の登場とその特質 4 「目標に準拠した評価」と「個人内評価」の結合 三 学力・学習モデルと評価の問題 1 「総合評定」と「分析評定」の関係史 2 学力モデルにおける「段階説」と「並行説」 3 基本簿における規準づくり 四 総合学習における評価の問題 1 総合学習が求める評価の要件 2 ポートフォリオ評価法の核心 3 評価の「観点」づくり 五 評価の仕組みの問題
第2部 総合学習における学力評価の問題 一 今日の学力問題で問われていること 二 「学力低下」問題と総合学習 三 総合学習の教育目標を構想する 四 総合学習における教育評価のあり方
第3部 学力評価研究の最前線 一 教育目標設定の論理―「代行」と「参加」のあいだ― 二 オーセンティック・アセスメントとは何か 三 学力評価研究の争点
【著者紹介】
京都大学大学院教育学研究科教育方法学講座教授 著書『学力評価論の新たな地平』(三学出版)『総合学習とポートフォリオ評価法』(共著、日本標準)『ポートフォリオをデザインする』(シャクリー他著、監訳、ミネルヴァ書房) |