春日井敏之・著
『希望としての教育』 ―親・子ども・教師の出会い直し―
(四六判175頁/税込価格1680円)
学校現場の課題に迫る臨床教育学の可能性
私自身が特に子どもとのかかわりの中で大切にしてきたことは、「絶対に見捨てない」という気持ちで、どこかで芽を出す子どもを信じて「やれるだけのことはやろう」と、時にはぶつかりながら向き合って生きることでした。また時には自分への自信を失いがちな子どもたちに対して、「それでいいんじゃない」と自己決定にOKを出しながら見守ることでした。(終章より)
【内容もくじ】
- 序章
子どもたちから教えられたこと―卒業生の手紙から
- 1章
教育実践の手がかり―現代の子ども論、教師論、学校論
- 2章
少年事件と子どもの「荒れ」を考える・少年非行のとらえ方―原因・背景を考える・少年非行と教師・スクールカウンセラー
- 3章
登校拒否・不登校への取り組み・中学校での不登校への具体的な取り組みから・思春期を子どもと親の成長期に
- 4章
学校行事への取り組み―アクシデントをドラマに・プロセス評価の意義と難しさ・競争原理を越える子どもたち
- 5章
進路学習を出会い直しの場に―親子交流作文と進路交流作文
- 6章
教育改革のゆくえと授業改革―「学びの共同体」・学校五日制と「総合的な学習の時間」完全実施の矛盾・教育改革のゆくえと授業実践―「総合学習」の可能性・教科学習・特別活動の中での「総合学習」の試み
- 7章
教師としての自己形成と自己変容の契機・教師が学校をやめたいと悩むとき・私自身の教師生活と自己変容の契機・自己変容せざるを得なかった具体的取り組み―純との出会いの中で
- 8章
人格発達を支える教育実践の視点―臨床教育学の可能性・人格発達をどうとらえるか・思春期の人格発達を支える教育実践の視点
【著者紹介】
京都府下の公立中学校教諭として23年間勤務、現在立命館大学助教授。『自分らしく思春期―いじめ・登校拒否をこえて』(かもがわ出版)ほか |