日本の社会福祉学

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松本英孝・著
『日本の社会福祉学』
―岡村重夫とその批判者たち―

(A5判160頁/税込価格1890円)

本書の中核は、岡村社会福祉学である。岡村社会福祉学は、日本社会福祉学界の最高峰にあって、その弟子たちによって岡村山脈が形成されていると言われる。岡村は、第二次世界大戦の敗戦後、焼け野原になった大阪の街を歩きながら社会福祉事象を探究し続け、およそ55年間の研究・教育を通して日本社会福祉学界に大きな貢献をしてきた。そして日本の社会福祉学を確立した。(「むすび」より)


【内容もくじ】

  • 第1部 岡村重夫の社会福祉学
    序章
     日本社会福祉学の成立
    第1章
     岡村重夫の社会福祉学の成立
    第2章
     岡村社会福祉理論の科学的認識について
     岡村理論とH.L.ウィットマー(H.L.Witmer)
     岡村理論と弁証法 了解的解釈法
    第3章
     岡村の社会福祉発展段階説 社会福祉以前(自発的社会福祉)
     近代的社会福祉(法律による社会福祉)
     現代の社会福祉―専門的ソーシャルワーク
     日本における社会福祉の発展
    第4章
     現代の社会福祉理論 社会生活の分析 社会関係
     社会関係の二重構造 社会福祉の対象―社会関係の障害
     社会関係の不調和 社会関係の欠損 社会制度の欠陥
     社会福祉の機能 社会福祉実践原理
    第5章
     なぜ「主体性の社会福祉論」と呼ぶのか 哲学的立場
     今西錦司の『生物の世界』を手がかりに
     官僚福祉に対抗する主体性

  • 第2部 社会科学としての社会福祉論
    第6章
     孝橋正一の社会福祉学(社会事業学)
     孝橋社会福祉(社会事業)論の成立 財団法人 協調会に就職して
     孝橋社会福祉理論成立前の学問的環境 孝橋社会福祉理論の成立過程
     『社会事業の基本問題』を著す
    第7章
     真田社会福祉理論について 岡村重夫略年譜及び著作目録
     孝橋正一略年譜及び著作目録

【著者紹介】

    大阪市中央児童相談所児童福祉司となる。その後、公立新見短期大学教授、県立広島女子大学生活科学部教授を経て1998年4月より広島国際大學医療福祉学部教授となる。著書『増補主体性の社会福祉論』(法政出版)共著『社会福祉の理論と政策』(中央法規)『社会福祉研究の現代的課題』(海声杜)『社会福祉』(福村出版) 『社会福祉』(ミネルヴァ書房) 『ケースワーク入門』(共訳、川島書店)