松本英孝著
新版 主体性の社会福祉――岡村重夫著『社会福祉原論を解く』
(A 5判223 頁/定価本体2500 円+ 税)送料1冊164円
岡村社会福祉学の核は主体性の支援にあり、これこそが未だ誰も乗り越えることがで きていない。
岡村重夫を師とする松本英孝は、この主体性を岡村の社会福祉人間像から解きほぐす。現在議論されている「自立」「レジリアンス」「伴走型支援」は主体性の支援が源流である。歴史を超えて燦然と輝く岡村理論の神髄を継承し、展開していくうえで必読の書である。
日本社会福祉学会前会長・桜美林大学大学院老年学研究科教授 白澤政和
<内容目次>
第1部 主体性の社会福祉論
第1章 「主体性の社会福祉論」の成立 第二次世界大戦後の焼け跡に学ぶ 大阪市立大学教授に迎えられて
第2章 社会福祉の定義 「社会福祉」という用語について 社会福祉の定義
第3章 社会福祉の発展 社会福祉以前(自発的社会福祉) 近代的社会福祉(法律による社会福祉)
日本における社会福祉の発展
第4章 現代の社会福祉理論 社会生活の分析 朝日訴訟と社会関係の二重構造
社会福祉の対象 社会福祉の機能
第5章 なぜ「主体性の社会福祉論」と呼ぶのか 哲学的立場 今西錦司の『生物の世界』を手がかりに
西田幾多郎との関連は? 岡村独自の主体性
第6章 社会福祉の分野 『社会福祉学(各論)』を著す 社会福祉の分野 第7章 老人福祉論
老人福祉調査 先進諸外国の老人福祉に関する研究 老人福祉に関する理論研究 老人福祉の研究領域 岡村老人福祉論の展開
第8章 地域福祉論 「地域福祉論」構想の背景 地域福祉論の形成過程 岡村重夫の地域福祉論の特質
第9章 社会福祉原理と福祉的人間像 『全訂社会福祉学(総論)』を著す 社会福祉原理
福祉的人間像
第10 章 岡村社会福祉論をめぐる社会科学の立場から
の批判について 孝橋正一による批判 真田是による批判 佐武弘章による批判 社会科学的批判のまとめ 若干の考察 162
第11 章 社会福祉の方法 最初の技術論
社会事業家の基本的技術 社会福祉の方法論の統合について 『社会福祉原論』における「社会福祉の方法」の 素描について
第12 章 明日の社会福祉 福祉改革論の論点
「明日の福祉」
第2部
第13 章 岡村の社会福祉論理 はじめに
岡村の社会福祉論理 「社会福祉の展開」の中にある文脈と論理 「社会福祉の対象」の中にある文脈と論理
第14 章 岡村理論に在る主体的人間像
社会福祉学者となる 社会福祉実践理論の提示 社会福祉思想としての主体的人間像
第15 章 岡村重夫 年譜・著作目録
(著者紹介)1939 年 神戸市に生まれる 1963 年 大阪市立大学家政学部(生活科学部)社会福祉学科卒業 1963 年 大阪市中央児童相談所児童福祉司となる。その後、公立新見女子短期大
学教授、 県立広島女子大学生活科学部教授、広島国際大学医療福祉学部教授、神 戸学院大学教授、日本福祉大学教授、 現 社会福祉学者 主著 『社会福祉研究の現代的課題』(共著、海声社)
『社会福祉』(分担執筆、福村出版) 『社会福祉』(分担執筆、ミネルヴァ書房) 『主体性の社会福祉論』(法政出版) 『日本の社会福祉学』(三学出版)
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