(四六判183頁 /定価本体2000円送料1冊164円)
自然の保育とお話の保育
一年間の保育のおおよその流れを、自然体験のなかに含まれる「子ども自身のドラマ」と絵本・物語そのもののドラマ、それらの複雑な関係という視点から、お話しします。子どもの内面に生じるものを大づかみにすれば、それは、自然を見る人間的、アニミズム的な見方のなかに含まれる「子ども自身のドラマ」の発達と、その先にある、絵本・物語の「ドラマそのもののなかに実感される自然」とが、必然的にめぐりあい、複雑に絡みあっていくことに、見出されます。その二つは本質的には同じもので、幼児期におけるもっとも高度な想像力、イメージする力を表している、と言ってもよいでしょう(177頁より)。
<内容目次>
T 身近な自然と「子ども自身のドラマ」1 子どもと生の自然――直接経験と代理経験 2 子どもの二つの見方 3 表現する子どもたち 4 幼児の考え方・感じ方――アニミズム的思考、あるいは「子ども自身のドラマ」について 5 秋の自然を感じる――ドングリの保育 6 自然の保育からお話の保育へ
U 絵本・物語からのアプローチ――イメージする力 1 映像の過剰、イメージの貧困 2 幼児の想像とイメージ 3 自然はイメージの宝庫 4 子どもはお話をどう聞いているか 5 お話だけでイメージする――「バンビ物語」の劇遊びから 6 めぐり逢う二つのドラマ――自然体験のドラマと絵本・物語のドラマ
(著者紹介)京都橘大学人間発達学部教授、博士(人間文化学)(著書)『子どもは遊べなくなったのか』 『未完のヴィゴツキー理論』(三学出版)(訳書)ヴィゴツキー『「発達の最近接領域」の理論』(三学出版)