裁判員裁判と子どもと大人
        ──「加害─被害」への視座“平和”と“尊厳”

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加藤暢夫著
裁判員裁判と子どもと大人         ──「加害─被害」への視座“平和”と“尊厳”

(A5判155 頁 /税込価格1680円送料1冊160円)
二つの被害者における支援とは
混沌とした現実に投げこまれる被害者らと非行や触法をした子どもら(共に家族等を含め)の無用な混乱(混乱がいけないのではなく,生きるエネルギーを失うような混乱)をできるだけ避けられるような支援がなりたたないものか,そのことなくして被害側も加害側も共にこころ穏やかにして健康的な精神生活を送ることはできないものだろうかと思うのです(はじめにより)。

<内容目次>

1 なぜ,子どもの『犯罪』を非行,触法(行為)というのでしょうか?(1)子どもの犯罪行為の認識の発展(2)憲法における子どもと非行および触法(3)大人の生活の困難や疑問そして不可解などが子どもに及ぼす影響(4)裁判員裁判と子ども

2 社会的障がい…犯罪,非行,触法…としての認識の重要性(1)平和な人間関係を基調とする日常社会そして世界(2)市民間へのくさびとしての犯罪と犯罪凶悪化論( 3)社会的障がいという犯罪観を

3 冤罪と死刑――疎んじられ続ける被害者と加害者との接点と交流

4 二つの被害者の存在と社会関係(1)二つの被害者という意味(2)子どもらの生きる現実

5 世界の人権感覚と疎んじる潮流との相克(1)昨今の加害と被害の事態 (2)割れ窓理論,ゼロトレランス(不寛容理論)そして新自由主義

6 子どもの非行,触法の支援…加害と被害…(1)支援の前提(2)「人間関係」を「平和」の展望のもとで

(著者紹介)名古屋芸術大学人間発達学部准教授(著書)『非行克服の現場と理論』(三和書房)ほか