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片上洋・著　ei Think Media 1
『現代商品形成論』

　本書は、物質的商品と非物質的商品が共存する現代において適応し得る商品学へと、商品学の進化をめざしたものである。物質か否かを問わず商品は社会的存在である。本書は、社会科学として、「もの」を通して社会を観る視点によって、商品の本質を解明する科学として商品学を研究する試みである。

• 第1部 商品機能論

  第1章 商品の意義と機能
  　第1節 商品の意義
  　第2節 商品学の歴史
  　　1. 自然科学的商品学
  　　2. 社会科学的商品学
  　　3. 商品概念の拡大
  　第3節 商品の機能

  第2章 サービス財・無形財の意義と社会的機能
  　第1節 サービス概念・サービス財と無形財
  　第2節 サービス財・無形財の分類
  　第3節 サービス財・無形財と産業構造・貿易構造
  　第4節 サービス貿易自由化と日本のサービス貿易
  

  第3章 商品と産業構造
  　第1節 住宅の工業化と商品化
  　第2節 生産方法と素材
  　　1. 工場加工性
  　　2. 構造材（柱・梁）の素材と構法
  　　3. 内装材の素材と構法
  　　4. 工場生産化と素材代替
  　第3節 素材の部品化と新素材
  　　1. 素材の部品化
  　　2. 新素材の開発
  　第4節 素材・部材代替と住宅関連産業
  　　1. 住宅メーカーと建材産業
  　　2. 総合商社と建材産業
  　　3. 寡占的建材企業の住宅産業参入
  　第5節 商品の変化と産業構造

• 第2部 商品形成論

  第4章 マーケティングとプロダクト・プランニング
  　第1節 商品形成とマネジリアル・マーケティング
  　第2節 マーケティング諸活動
  　　1. マーケティング・リサーチとプロダクト・プランニング
  　　2. マーケティング・チャネル政策とセールス・プロモーション政策
  　　3. マーケティング・マネジメント
  　第3節 プロダクト・プランニング
  　1. マーケティング・ミックスと製品開発
  　2. 代替的製品戦略とプロダクト・マネジメント・プロセス
  

  第5章 商品形成主体と商品形成
  　第1節 商品形成主体
  　第2節 自由競争と商品形成
  　　1. 使用価値と品質
  　　2. 生活者の品質評価基準の形成と転化品質
  　第3節 寡占資本主義と商品形成
  　　1. 管理価格
  　　2. 新製品とモデル・チェンジ
  　　3. 商品世界と消費者
  　　4. 消費者の商品欲求と乖離品質
  　　5. 生活者の人間的欲求と品質の最低限界
  　第4節 商品形成と公的機関
  　　1. 消費者保護と品質乖離
  　　2. 消費者保護立法と運用
  　　3. 有害添加物と行政指導
  　　4. 規格と認定
  

  第6章 現代の品質形成
  　第1節 自然科学的品質と経営的品質
  　第2節 技術と品質
  　第3節 商品の形態的属性と品質
  　　1. 形態的属性と品質要素・品質要素システム
  　　2. 乖離品質概念
  　　3. 品質乖離の形態因子と感性的品質要素
  　第4節 品質形成条件としてのサービスとインフラストラクチュア
  

  第7章 集合商品，複合商品の品質形成
  　第1節 集合商品の品質形成
  　　1. マンションの商品特性と品質要素
  　　2. マンションの品質乖離とその要因
  　　3. 現代マンションの販売政策と品質の実態
  　　4. マンションの保証内容と保証期間の改善
  　　　―建設省93年勧告と新協会基準―
  　　5. 保証内容・期間改善の実態・意義と問題点
  　第2節 複合商品・体系的商品の商品形成
  　　1. 移動体通信システムの商品実体
  　　2. 移動体通信システムの使用価値と品質
  　　3. 使用目的適合性の展開と移動体通信システムの未来形
  

  第8章 歴史と商品形成
  　第1節 産業としての大内塗の成立
  　　1. 大内塗の沿革
  　　2. 漆器工業の諸工程
  　　3. 漆器工業の分業形態とその諸要因
  　第2節 産業としての会津塗の成立
  　　1. 会津塗の沿革
  　　2. 生産工程と分業・流通形態
  　　3. 分業・流通形態と品質
  

  第9章 商品世界と生活様式
  　第1節 商品形成論の分析視角
  　　1. 需要の要因
  　　2. 商品生産の基礎的諸条件
  　第2節 商品形成法則
  　　1. 商品形成循環
  　　2. 商品形成のミクロ循環と発展循環
  　　3. 国際分業化と商品形成循環