新刊案内

川崎桃太著「フロイスとの旅を終えて今想うこと―日本の戦国時代を生き抜いたポルトガル人宣教師」 [2015年06月26日(金)]
●川崎桃太著「フロイスとの旅を終えて今想うこと―日本の戦国時代を生き抜いたポルトガル人宣教師」出来。本体1300円  京都新聞、キリスト新聞で紹介
十六世紀、戦乱に明け暮れするこの国に宣教師たちはやってきた。
だが、半世紀後には非情な迫害が勃発する。身の危険に晒されながらも彼らの多くが踏みとどまり、この地で生涯を終えた。故国にいたならば、平和な暮らしが望めたのに、何がこの人たちを駆り立てたのか……あれから五百年、変貌を遂げた今の日本を考える。
第1部 「日本史」の編纂とフロイス フロイスの来日と布教の概観 度島から平戸、豊後を経てへ 都の布教と追放 フロイスの住んだ堺 信長とフロイス 仏僧と行った宗論 和田惟政とフロイス 南蛮好みの信長とフロイス フロイスと岐阜の信長 カブラルの信長訪問 帰還後のフロイスに生じたこと
 布教長とフロイス高槻に行く 中日本布教長の職を辞す 巡察師ヴァリニャーノの来日と都訪問にフロイス同伴する 運命の巨城、安土城 本能寺の変とフロイス 光秀反逆の真相 「日本史」の編纂とフロイス 大坂城とうたかたの夢 少年使節の帰国―その晩年 フロイスの晩年とその功績 「安土山図屏風」のゆくえ 伴天連の残した教え 伴天連の働き 初代の宣教師について 日本最初のキリシタン大名・大村純忠 戦場の伝道士・黒田官兵衛 乱世の烈女・細川ガラシア 写本の辿ったいばらの道 フロイスとの交わりから浮かび上がる問題点 伴天連は日本人をどう観ていたか 
第2部 フロイスとの旅を終えて今想うこと おもてなし 問われた評価 国の経済は大丈夫か 成熟した政治を 地球は誰のものか 不戦の誓い 素粒子と生命 日本人の謝罪癖 装う自然 国家の崩壊
ヨーロッパ人の精神構造 Paradox(逆説)の似合う国―アメリカ 家族という名の絆 歴史の連続性 
沈黙 作家遠藤周作の世界 武士道の功罪 魂の救いを宣言する布教 永遠の生命とは 人生は賭けか
神様の愛の手本、十字架 わが百歳の謝辞 カコミ 大坂城の石 
(執筆者紹介)京都外国語大学名誉教授。『完訳フロイス日本史』全12 巻(共編訳、中央公論社)にて第二十九回菊池寛賞と毎日出版文化賞特別賞を受賞。著書 『フロイスの見た戦国日本』『続・フロイスの見た戦国日本』(中央公論新社)など。