村本邦子著
『援助者のためのフロイト入門』
(四六判132頁/税込価格1365円)
なぜフロイトの精神分析が私たちの社会に影響を及ぼし得たのかということには興味を持っている。その有用性と同時に、有害性にも興味を持っている。本書は、入門書として、なるべく中立的な立場でフロイトを紹介するよう努力したが、筆者がトラウマを中心とした女性の心理臨床に携わってきたことから、自分のスタンスをすっかり手放すことはしていない。…読者である援助者のみなさんが、援助理論の基盤にあるフロイトの理論を自分なりに捉え直し、有用と思われる部分を日常生活や援助場面に活かし、無用、もしくは有害な場合には、それに批判的視点を持つことができるようになることを期待している。(はじめにより)
<内容目次>
第一部 フロイト精神分析の誕生 1 フロイトの生い立ち 2 時代的背景 3 フロイトと催眠術 4 ヒステリー研究
第二部 精神分析の確立 1 誘惑理論からエディプス・コンプレックスへ 2 フロイトの夢理論 3 日常生活の精神病理 4 神経症総論
V 第三部 後期フロイト 1 戦争の時代と精神分析 2 精神分析の修正・展開 3 フロイトの世界観 4 フロイトの最期 フロイトのおもな著作と関連年表
(コラム)ヒステリーとは? フロイト外傷論の再評価フロイトとフォルス・メモリー・シンドローム(偽りの記憶症候群) フロイト夢理論への批判 エディプス・コンプレックスとは? リビドーによるフロイトの恋愛論 フロイトとテレパシー フロイトの女性観 フロイトの宗教観 フロイトのユーモア
【著者紹介】
女性ライフサイクル研究所所長、臨床心理士。心理学女性学博士、立命館大学大学院特別契約教授。著書に『しあわせ家族という嘘』(創元社)、訳書に『もっとうまく怒りたい!』(学陽書房)。 |