(A5 判上製231 頁 /定価(本体4000円+税、送料1冊250円)
「テストの時代」を読み解く
教育評価問題に焦点を当てて、現代の教育評価研究の到達点と考える「真正の評価」論からいかに教育実践の改善・改革に応答できるのかについて考察を加えている。本書が混迷する「評価の時代」「テストの時代」を読み解き、21 世紀の世界に開かれた日本の教育実践の改善に少しでも役だつならば、望外の喜びである。(はじめにより)
<内容目次>
序章 なぜ「真正の評価」論なのか
〔T〕教育評価研究の到達点と課題 1 学力評価の実態と改善方策 2 「目標に準拠した評価」をめぐる現状と課題―内申書問題が提起するもの 3 「関心・意欲・態度」問題としての愛国心通知表 4 教育評価論からみた開示問題 5 高校における学力評価 6 教育評価論からみた新指導要録の特徴と課題 7 教育評価論としての「実践記録」
〔U〕学力調査問題の検討 1 「確かな学力」考 2 学力調査における質と平等の問題―「真正の評価」論からみえてくるもの 3 教育評価としての「学力調査」のために 4 PISA 型読解力はどのように位置づけられるべきか 5 「信じて疑う」読解力の育成―PISA が問う国語教育のあり方 6 読む力・書く力を育てた実践―「生活綴方」に学ぶ 7 学力調査に見る日本の子どもの特徴と弱点―算数学力に焦点を当てて 8 仲本正夫と学力保障―「数学だいきらい」への挑戦
〔V〕教師養成論への提言 1 実践的指導力を問う―教育実践研究の立場から 2 大学授業をどう変えるか―教育方法学の立場から 3 「授業力」の復権 4 時代を代表する教師たち―東井義雄、斎藤喜博、庄司和晃 5 「洗練」としての「刷新」 6 自己評価システムを支える教員組織のあり方
(著者紹介)京都大学大学院教育学研究科教育方法学講座教授(著書)『教育評価』(岩波書店)『新しい時代の教育方法』(共著、有斐閣)その他