未完のヴィゴツキー理論

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神谷栄司著
未完のヴィゴツキー理論
甦る心理学のスピノザ

(A5判393頁/本体価格3200円送料1冊164円)


ヴィゴツキー研究の集大成
言語による媒介的発達という従来のヴィゴツキー理解の枠組を超え、 晩年における彼の手稿、講義速記録、メモなどをもとに人格発達理論 と情動発達理論を再構成しつつ、ヴィゴツキー理論を全体として導い たものはスピノザの哲学であったことを明るみに出した。「人格発達は、 概念における情動、つまり、自由への道である《。「ヴィゴツキー・ル ネサンスは同時にスピノザ・ルネサンスである《。本書はそこにヴィゴ ツキー理論の神髄を見出している。

<内容目次>

プロローグ――30 年代ヴィゴツキー理論とポリツェル、スピノザ 

第Ⅰ章 ヴィゴツキーと方法論の問題 心理学と哲学の接近 心理学における弁証法 歴史主義 心理学における唯物論 

第Ⅱ章 言語による媒介的発達理論 媒介的発達の基本構造 幼児期の思考とことば 子どもにおける概念の発達 媒介的発達理論の止揚としての人格発達理論 

第Ⅲ章 心理システムと人格発達理論 心理システムと人格構造 個体発生的次元での人格発達の普遍的法則性 「フォイエルバッハに関する第6テーゼ《の心理 学的転倒 具体的個人の人格と意識へのアプローチ 人格をめぐる諸概念の整理 

第Ⅳ章 心身の統一性と情動発達理論 『芸術心理学』の二つの「謎《 「心理・意識・無意識《における心身問題 心理システムの視点による情動理論 『情動に関する学説』におけるスピノザ

第Ⅴ章 ヴィゴツキー理論における《バフチン*スピノザ》問題 スピノザとの関連におけるバフチンとヴィゴツキー いくつかの手がかり 遊び理論における意味論と情動理論 スピノザについての最後 の問い 

エピローグ――心理学におけるスピノザ・ルネサンスに向かって わが国におけるヴィゴツキー 研究の三つの波 現代心理学の機軸をめぐって マイケル・コール『文化心理学』の検討 具体心理学 の展開とスピノザ  記述と説明の統一

(著者紹介)京都橘大学人間発達学部教授、博士(人間文化学)(著書・訳書)『保育のためのヴィゴツキー理論』(三学出版)  ヴィゴツキー『「発達の最近接領域《の理論』共訳(三学出版)ヴィゴツキー『情動の理論*心身をめぐるデカルト、ス ピノザとの対話』共訳(三学出版)