(四六判91頁/税込価格1260円送料1冊80円)
●子どもの遊びの本質をとらえなおす
<内容目次>
T.遊びの原像と本質
1.ホイジンガの遊び論と遊びの諸学説
(1)遊びの古典理論・近代理論・現代理論
(2)遊びの自己完結性
2.カイヨワの遊び論
(1)カイヨワによる遊びの定義
(2)遊びの分類学
3.自己完結性としての遊び論の位相 ――多田道太郎と石塚正英の遊び論
(1)多田道太郎の遊びの定義――儀礼の「模倣=複製」としての「子どもの遊び」
(2)石塚正英の遊びの定義――フェティシズムとしての「子どもの遊び」
(3)虫遊び(虫いじめ)をめぐる2つの解釈
U.鬼ごっこの原像と本質
1.鬼ごっこの起源と分類
2.鬼ごっこのフェティシズム的解釈
3.鬼ごっこの主題と人間形成機能
(1)遊びの社会関係にともなう実存的負荷
(2)伝承遊びとしてのかくれんぼとその主題――藤田省三の論攷を手がかりに
(3)現代鬼ごっこの生態と主題の変質
V.鬼ごっこの個体発生的起源とその精神発達機能
――精神分析的アプローチ
1.分離−個体化の発達プロセス
(1)乳児における微笑みの発達過程
(2)幼児における分離−個体化の精神発達過程
2.他者経験の成立プロセス――同一化可能な他者と同一化不可能な他者
(1)他者経験の発生論
(2)人見知りの克服過程
(3)昔話・桃太郎の異本としての『手斧息子』――非行暴力少年・桃太郎
3.分離不安と人見知りの象徴的再演としての鬼遊び
<著者紹介>大阪市立大学教授(著書)『学校知のメタフィジックス』(三省堂)『テレビを絵本に代えて』(三学出版)